母がパニック障害になった結果、新たに私に覆いかぶさった○○障害
★人の目をまっすぐ見れないことを指摘してきた音楽の先生
高校3年生になって、面接指導を受ける機会があった。
センター利用推薦での受験を考えており、色んな先生に面接指導をしてもらった。
その中で、音楽教員の少し変わった先生に指導してもらったとき、
「君はどこを見ているんだい?」
と聞かれた。
何を言っているのか分からなかった。
そのうちに、「お家でなんかある?」と聞かれた。
「はい、まあ。」となんとなく概要説明すると、
「家庭ぐちゃぐちゃじゃーん!」と笑われた。
その反応があまりにも軽くて、私にとっては嬉しいものだった。
こんな話を笑ってくれる人がいるのかと。
「なぜわかったのですか?」と聞くと、
「学生の悩みって、勉強か家庭か友達関係だと思うんだよねー。君の場合この高校にいるから勉強は問題ないでしょ?友達とよくいるのも見かけるし、つまり家庭かなーって!」
と笑いながら言っていた。
ちなみに当時付き合っていた彼氏についても質問され、淡々と答えると、
「それって彼氏じゃないよー!中堅ハチ公じゃーん!」と言われた。
何か私の中で引っかかっていたものが解明されて、
先生の言葉に対して自分なりに考え、納得したうえで彼氏に別れを告げた。
すっきりした。
★「母のパニック障害」
ある日、夜中寝ていると、1階で寝ていたはずの母がものすごい勢いで2階に駆け上がってきた。
母は父の部屋に入り、ヒステリックに何か言いながら父を叩いたり蹴ったりしていた。
父がいつものように酔って暴れて、2階のトイレを詰まらせたことにより、水が溢れてきて、トイレの外まで水浸しになっていた。
その水が1階のトイレまで浸み込んで、母が寝ている部屋の隣にあるトイレの天井から水が滴り落ちてきている状態であった。
寝ていて突然水が滴り落ちる音が聞こえる恐怖と、
必死に守ってきた家が物理的に壊れてしまうという不安からヒステリックになっていたのだと考えられる。
父に一通り怒りをぶつけた後、母は自室に帰り、布団にくるまって丸くなりながら、「お家壊れちゃったああああぁ、お家、お家壊れちゃうようおおぉぉ」と泣き叫んでいた。
近くによって背中をさすろうとしたが、「触らないで!来ないでえええぇ」というので、ただ近くにいることしかできなかった。
とりあえずトイレの水を拭いたり、一階トイレの水が滴り落ちているところにタオルを置いたり対処をして、泣き叫ぶ母を見守っていたのを覚えている。
泣き終わると落ち着いたが、私の心は大分ざわざわしていた。
それからは、いつ母のパニックが起こるか分からないという恐怖から、ほとんど深く眠れなくなった。
いつでも何かあったらすぐに動いてあげなければ。
すぐに駆け付けられるようにしていなければ。
寝ていても、雨が降り出す音で起きるようになった。
完全に不眠症だった。
母はその後心療内科に通いだした。
薬を服用して、気持ちを落ち着けるようにしていた。
心療内科から、「旦那さんを連れてきてください」と言われたこともあったそうだが、状況は大して変わらなかったことしか覚えていない。